無限に練りをしまつ

ぽやしみ~

HTC10を経てiPhone7を買いXperia Z4になった話

  HTC10は結論から言うと最高の端末だった。電池持ちはカメラを多用しなければそこそこで、アルミボディの剛性感は恐ろしく高く、ボタンの押し心地もなかなか快適なものであった。それでいて、自然な写し方をしてくれるIMX377及び光学式手振れ補正、レーザーAFの組み合わせは理想的で昨年のM9世代の酷さは何だったのか考えさせられる。また、本体スピーカーの音は変則型のステレオを採用しているにしては違和感が多くはない方であり、まずまずというところであった。それよりも特筆すべしはイヤホンジャックを通しての音作りである。良いヘッドホンやイヤホンを持ち合わせている方には是非とも一度は体感してもらいたい。

 

しかし、私はHTC10を売ってしまった。これは大失敗だった。人生の汚点だ。

ごめんよHTC10...

 

 それはともかくとして、9月23日頃にiPhone7のアンロック版を購入した。話題のジェットブラックは生憎在庫を確保できなかったので、マットブラックを選択した。これがまた素晴らしいものでスベスベのニュルニュルでムフフで大変スケベな感じだった。まぁ、いろいろと良くできているしアップルの提供しているエコシステムに慣れ親しんでおり、尚且つ予てからそれに投資している方々には至極快適な電話なのではないかと感じた。一方で、アップルの提供しているエコシステムの外側に位置する人間にとってはやりたいことをやりたいように自由にできないあたりに強い制約を感じた。特に通信回りにおいてそれが顕著に表れた。その件の詳細については割愛するが、以降iPhoneに対する熱が急激に冷め先々週あたりにiPad Pro 9.7もろとも売却した。

 

 そして辿り着いたのが、高校生ガジェクラ(笑)御用達端末ことXperia Z4である。実はXiaomi Mi5を購入するときに海外版のE6553を買ってみるか悩んでいたが、国内版が投げ売りされている状況でお財布もフルセグもついていないものをわざわざ取り寄せて買うのもどうなのかと考え、パスした経緯がある。そして今回au版であるSOV31を購入し、公式アンロックを経てOSアプデその他設定を終えてここ二週間ほど使い込んでいる。印象として、カメラがゴミで使い物にならない以外は今年のモデルと比較しても熱くはなりやすいが遜色のない動作をし、Twitter/2ch/メールの三点セットくらいしか使わないのであれば大変有能で電池持ちもかなりよい。そして何よりZ4のデザインが好きだ。確かにこれまで自分はソニーが永遠にオムニバランスデザインを止めないことを酷評してきたが、手に取って触って見てみると実に美しい仕上げをしておりなかなか気に入った。おそらくデザイン面ではZ4はXperia Zシリーズの中では断トツだ。

 

 私は他のオタク達より使ってきた端末の数こそ少ないが、これまでのスマホ購入ギャンブルを通して人生においての重大な教訓を得た。それは...

・自分の用途に合ったものを買おう

これに尽きる。みんな持っているから、みんな買っているからそれが自分にとって必要であったり良いものであるとは限らない。スマホ市場は日進月歩でコモディティー化が進んでいる一方で、より洗練された多様なニーズを満たすべく毎年様々な機種が激しい争いを繰り広げている。国内でリリースされている端末だけを見ても既に十分な嗜好の範囲を満たすことが可能であることは間違いない。海外にも目を向けると、もしかしたら本当に自分に合った端末が見つかるかもしれない。

 

 こうした多様な選択肢がある幸福な環境では我々消費者は知識や経験で武装していないと、時として大きな失敗に陥ってしまう。それを防ぐべくTwitterオタクたちが日々様々なモノを人柱していることを心の片隅に置いておいてもらいたい。

 

HTC10についてのぼやき

 私は、2013年末に投げ売られていたHTL22に触れて以来HTCのスマートフォンが特に好きになった。その前はシャープのSHL21という出来の悪いゴミを使っていたがHTL22を使いスマートフォンの世界に夢と希望を感じ、身を投じてみるかという決意のもとに今流行りの格安ジャンクマンのようなところから始め、大手メーカーのスマートフォンはそれなりに使い倒してきた自負はある。特にHTC端末をたくさん使ってきたというわけでもないが、HTC One、One Max、One M8、Butterfly3と毎年1台は必ず買うようにしている。そして先日HTCの最新作である10を購入した。

 私はHTCオタクという程ではないが、HTCのスマートフォンの高級さが好きである。かつては高級なフィーリングを使用者にもたらすという意味では林檎を除けばHTCのドル箱といったフシがあり、Androidスマートフォンにおいては最も所有欲を満たしてくれるものであった。それは外装云々だけではなく、senseというHTC独自のUXを含めてである。

 HTC senseの優れている点はいくつかあるが、特に推しておきたいのは素のAndroid比でかなり重度にカスタムしてあるのにも関わらず、動作の快適性を損なわない点である。またUX全体を通しての統一感と多機能性、ユーザーによるカスタマイズが幅広く行えるところも美点であった。特に2015年のsense7はHTCのUXの集大成と言って良いだろう。

 では10に載っている最新のsenseはどうなのか?実は10からはsenseバージョンの記述が削除されている。しかし、One A9からの『Googleとの協力でアプリの重複を減らし、UXを改善しOSアップデートの提供を迅速に行う』という方針に従い、それを深化させたsenseであることは間違いない。通知領域やトグル周り、AOSPルックな設定画面、プリインストールアプリに占める高いGoogleアプリ率などからこれまでのsense7とは一線を画す。動作に関してはハードウエア性能向上やAndroid OS自効率化、これまでのSenseとは段違いに俊敏で快適であることは間違いない。

 しかし、そこには大きな問題がある。前述した『Googleとの協力』と「次期NexusデバイスのベンダーにHTCが選定された」ということなどから、Googleとの間で何らかの’’話し合い’’が有ったことは間違いない。そこでどのような話し合いが行われたかは私たちは想像する事しか出来ないが、使い勝手の良かったHTCお手製の音楽アプリがGoogle Play Musicに置き換えられた事、編集機能の多さに定評があるHTCお手製のギャラリーアプリがGoogleフォトに置き換えられたことに関してはどうも納得が行かない。どうして優れた自社アプリをわざわざ下位互換のものに置き換えるのか?

  もしかしたら、これはHTCがスマートフォンを作り続けるために仕方のない選択肢だったのかもしれないが、HTCスマートフォンをわざわざ選んでくれる世界中のファンボーイ/ファンガールに対する重大な裏切り行為との見方もできる。senseのGoogle化が今後一層進むとしたら、旧来からのファンを失いかねない。(本当のファンは盲目的なのでそれでも買い続けるであろうが)
  私個人としては複雑な気持ちである。カネに物を言わせてアプリの重複を微じんも気にせずコテコテの独自UXをゴリ押しするサムなんとかというメーカーと崖っぷちでで踏ん張って生き残るために自分を押し殺すHTCという対照的な構図がどうしても目に浮かぶ。10のことをこれまでのHTCスマートフォンのように好きになりたい、でも今のところ完全には好きになれないといったところである。
  M9の時にHTCは『ポルシェをデザインの参考にした』という趣旨のことを述べていた。それは旧来からの長所を引き継ぎつつ、それに新しい洗練さを加えていくという意味が込められているであろう。そのポルシェも911の997型から991型へと変わった時に大きな波紋を産んだ。それと同じようにHTCもまた大きな変化の途上であることは間違いないと言えるであろう。

 頑張れHTC。

Xiaomi Mi5とかいう電話

 約1月ほど前にMi5とかいう電話を夢の中で輸入し今日までメイン機として禿網にて使い続けている。Xiaomiとかいうメーカーに対して魔法のようなモノを感じている信仰心の暑苦しい方々も居るようだが、ここは一歩引いてオタクっぽさを除いてカジュアルに述べていく。

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 ※''選ばれし者''ではないので普通の硝子の黒である。

 先ず使いはじめるまでに非常に面倒くさいステップを踏む必要があった。簡潔に述べると、ネット販売業者様がありがたくインストールしてくれた非正規ROMらしきものを正規ROMに戻す作業である。そして次にGoogleサービスの類をインストールしなければならなかった。これも紆余曲折あり、拙い英語力を駆使しネットの海からなんとか見つけ出しクリアした。ようやく設定を終了し、使いはじめるかどうかという頃には東京オリンピックが終わっていた。

 こんな電話はもう捨てようと本気で思ったが、一踏ん張りして使ってみることにした。先ず驚いたのは筐体の軽さである。昨今は''build quality''という言葉が騒がれすぎ、スマートフォンの重量は戦車と大差ないほどになってしまったが、Mi5の軽さは物理法則を覆しかねない。しかし、よく考えてみるとこいつはスカスカのアルミフレームを薄い硝子でサンドイッチしただけの虚弱体質の子であるのではないかというのが脳裏に過った。実際にどうなのかは試す余地もないが、某大手動画サイトにて簡単に曲げられてしまうことが証明されている。間違ってもMi5を尻ポケットに入れてはならない。

 ディスプレイに関しては特にこれといって感想が浮かばないがこの価格帯のモノの中ではおそらく良い部類に入るだろう。指紋認証は早いがホームボタンが小さすぎるのと、油汚れに非常に弱い。ちなむと、Galaxyと違って画面点灯中はホームボタンを押し込まなくてもセンサーキーとして動いてくれるのは非常に気に入った。側面に配置されたボタン類に関しても特に不満がない。しかし、気になったのが組み立て精度の悪さである。特に側面に回りこんだ背面ガラスとフレームとの間の隙間が左右で異なっている点と、側面の音量及び電源ボタンが少しグラグラしている点は気になる。この辺はどうやら価格なりである。

 UXは「アイホンインスパイアード」な感じしかしない。しかし必要にして十分な機能が備わっており、イデオロギー的な事を過度に追求しないのであれば洗練された印象さえ受けることであろう。仕方のないことだが、プリインされている電話帳及びカレンダーアプリをGoogleアカウントに同期させることはどうやら出来ない感じである。また、play storeからインストールしたアプリの通知が著しく不安定である事が腹立たしい。そのため私は仕方なくXiaomiお手製のメールアプリを使用している。もう一つ問題を挙げるとするならばソフトウエアの不安定さが目立つ。GalaxyやらXperiaは1月再起動無しでも平気で動作するが、Mi5は2日に1度は再起動させてあげないとクズつく。これもまた価格なりな要素である。

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 上のはメインカメラの作例であるが、4軸光学手ブレ補正がついている割には暗所でのノイズが多いと感じられた。縮小してしまえばなんともないが、印刷して使用する場合やトリミングするには向かないと思われる。HDRは一昔前のアイホンみたいである。過度な期待を寄せなければ普通に撮れるメインカメラではないかと思う。インカメラの作例は上げないが下手なプリクラよりは補正してくれるので『女子』の皆さんにはおすすめだ。

 バッテリー持ちは思ったより優秀であった。ネットサーフィンやSNSの利用だけなら90%から20%の間で大体3時間程度は画面点灯してくれる。後はご想像にお任せする。

 大体書きたいことは書いたのでまとめると、この電話は中国人以外にはおすすめできない。非常に面倒くさく、お値段以上を歌っているが実のところはお値段なりである。いくらメイクをキメて高価な服を着飾っていても、対話していくうちに本性である安っぽさがボロボロと感じ取られてしまうのと同じである。しかし、それを理解した上で使うのであれば大いに構わない。むしろ手に馴染んでくるであろう。

 

熱狂的Xiaomiファンの皆様へ、長文・駄文失礼する。